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社宅・借り上げ社宅の家賃相場の計算方法、役員・従業員の社宅の経費化に関する情報を初心者向きにわかりやすく解説。

◆社宅家賃の相場・税務の解説

◆役員社宅を最大限に活用する方法

 役員が居住する社宅の賃料は、国税庁が規定する役員社宅制度3基準に則り賃料相当額を設定していく事は前項までに解説してきたとおりじゃ。

 この社宅制度を上手に活用することで社長や役員が保有する持ち家を借り上げ社宅とし、社長や役員に再度貸し出す事が可能となることも解ったのぉ。

 では、最後に社宅制度を用いて役員社宅のメリットを最大限に活用する方法について確認しておくとしよう。

◆固定資産税・都市計画税の負担も法人に

 個人事業主では活用できない法人組織ならではの社宅制度。

 役員であれば、この税制的にも優遇され節税効果の高い社宅制度のメリットを最大限に活用したいと考えるのも当然じゃろう。

 尚、役員社宅の利点を最大限に活かすには、役員の持家を活用する方法よりも、法人所有物件を役員に社宅として提供する方が利点が大きくなる事を覚えておくと良いじゃろう。

 住宅を購入すると、毎年発生する「固定資産税」「都市計画税」といった税金の支払いが発生することになる。

 また、建築物は年数がたつにつれて必ず経年劣化していくものである。

 そのため、築年数が経過すると少しずつ修繕箇所が増え修繕費やリフォーム費用も大きくかかるようになってくるのぉ。

 持家の場合はこれらの住宅に関わる維持費は全て所有者自身の負担となる。

 しかし、法人が社宅として購入した不動産物件に役員が住む場合は、住宅の年間維持費や修繕費用は所有者である会社が負担することになる訳じゃ。

固定資産税・都市計画税の負担【画像】

 これらの住宅にかかる費用は1年単位ではそれほど大きな負担に感じないかもしれんが、数年、数十年単位で考えてみると大きな金額となってくるのがわかるのぉ。

◆不動産の建物は減価償却資産

 法人が不動産物件を購入する場合は、物件の建物部分に該当する金額を必要経費として経費化する事が可能となっておる。

 但し不動産物件のような高額な資産を経理処理する場合は、購入代金を一括で経費化する事ができず減価償却資産として複数年で経費処理をしていく事が定められておる。

 減価償却の仕方は「定額法」と呼ばれる耐用年数に応じた年数を一定額ずつ損金扱いしていく方法と、「定率法」と呼ばれる毎年一定割合を損金扱いする方法がある。

 法人で不動産を所有する場合は、これらの計算の手間などがかかるものの、やはり法人で建物代金を経費化できるのは大きな利点じゃ。

◆法人所有物件を役員社宅とする形が最もメリットが大きい

 役員社宅を最大限に活用するには、持家を借り上げ社宅とするよりも、法人で不動産を所有し役員に社宅として提供する形が最もメリットが大きい。

 毎年発生する固定資産税や都市計画税、物件の修繕費用等、物件にかかわる維持費、諸費用は全て不動産の登記簿謄本上の所有者である法人に負担してもらう利点は想像以上に大きなメリットじゃ。

 更に、役員の自己負担賃料を最小限にするには、原則として床面積が132平米以下、築17年未満のRC造物件の場合は床面積99平米以下の小規模住宅の定義に該当する物件を社宅として活用すると良いじゃろう。

役員社宅制度を最大限に活用するには?【画像】

 もし、現在会社の経営者であるもの、もしくはこれから法人を設立し経営者となる事を検討しておるものは、役員社宅の活用についてしっかり計画しておくことが大切なのじゃよ。